私は韓国の釜山に住んで7年目になります。
日本でも分別のルールは自治体によって違うと思いますが、釜山の分別のルールとごみ処理事情について改めて調べてまとめてみました。参考になれば幸いです。
分別
まずは分別についてです。
韓国では、大きく
- 재활용품(リサイクルするもの)
- 일반 쓰레기(一般ごみ)
- 음식물 쓰레기(生ごみ)
の3つに分けられます。
リサイクルするもの
釜山市が発行しているリサイクルするもの(資源ごみ)の分別方法についてのポスターです。
分別項目は、
プラスチック系
- 透明ペットボトル
- ヨーグルト容器
- その他プラスチック
- ビニール類
紙系
- 段ボール
- 新聞、雑誌類
- 牛乳パック
その他
- 白い発泡スチロール、トレー
- 缶、金属
- 焼酎、ビール、清涼飲料水の瓶
- その他のガラス瓶
- 乾電池、蛍光灯
以上のように分けられています。
日本(私が住んでいた地域)と違う点は、
- ヨーグルトの容器を別個に集める
- プラスチックとビニールを分ける
- 瓶が色別ではなく焼酎/ビールとその他を分ける
という点でした。ヨーグルトの容器を別個に集めるのは未だに理由が謎です。
ちなみに古紙の分別については、下記のポスターに注意事項が載っています。
- レシートや郵便の送り状類
- 金箔やビニールでコーティングされている紙(パッケージ類によくあります)
- 使ったティッシュ、おむつ、油や食べ物がついて汚れた紙
- 壁紙、シュレッダーした紙、不織布
これらはリサイクルできないので古紙として出してはいけないそうです。
コーティング紙やシュレッダーした紙がリサイクルできないというのは、以前マシンガンズの滝沢さんのツイッターを見て知りました。
滝沢さんの投稿は分別やごみの出し方についていろいろ教えてくれるので勉強になります。
一般ごみ
一般ごみは、日本でいうところの「燃えるごみ、燃やせるごみ」です。
종량제 봉투(従量制袋)と呼ばれる有料の指定ごみ袋に入れて捨てる必要があります。
この袋は区ごとに違うので、自分が住んでいる区の袋を購入します。
リサイクル用品として分別するものと、生ごみとして出すもの、不燃物、大型のもの以外のものを入れて捨てます。
生ごみ
韓国では生ごみを別に出します。
これが日本と大きく違う点ではないかと思います。
戸建ての場合はバケツのような専用の容器に入れて回収場所に出すようです。
韓国はアパートに住んでいる人が多いので、その場合はアパートの生ごみ用の大型の容器に入れます。
これはどこかの外国のものですが、こんな感じの容器です。
生ごみも、量によって料金を支払うようになっています。
私が住んでいるアパートは、その月の排出量(容器何個分出したか)を世帯数で割って管理費として請求されるのですが、
新しい生ごみ回収機が導入されているアパートは世帯ごとにカードキーのようなものを配布されて、
生ごみ回収機にピッとして生ごみを入れると重量が計算されて、その重量によって請求されるようです。
義実家のアパートも最近これが導入されたそうなのですが、それから義母は生ごみをできるだけ乾燥させていると言っていました。
このようにはっきり個人個人で分けることによって水分を減らす努力をする人が増えるので、とてもいいシステムだと思います。
間違われやすいもの
下記はよくリサイクル用品と間違えられるもののようですが、
これらはリサイクルできないので一般ごみまたは不燃物として出す必要があります。
- 色がついている発泡スチロール
- 建築用発泡スチロール
- 果物用の網
- カップラーメンの容器
- チキンの箱などに入っているクッキングペーパー
- 陶磁器の器
- ジェルタイプの保冷剤
- 保温バッグ
- ペン、歯ブラシ、カセットテープ
(今どき?)、錠剤の包装 - おもちゃ、ベビーカー、歩行器
- 梱包バンド
- 割れた瓶、耐熱ガラス容器、板ガラス、照明器具用ガラス類
そのほか、生ごみではなく一般ごみとして出す必要がある間違えられやすいものとしては
- 卵の殻
- 玉ねぎの皮、野菜の根っこ
- 硬い果物の皮
- ティーパック、漢方材の残り
- 貝殻、魚の骨
- 果物の種
- 肉類及び魚介類の骨
以上が挙げられています。
正しく分別するように心がけたいですね。
釜山市のごみ処理事情
ここからは、回収されたごみがどのように処理されているのかを調べてまとめてみたいと思います。
日本では燃えるごみ(燃やせるごみ、燃やすしかないごみetc.)という名前の通り、焼却場に運ばれて焼却後、残った灰は埋め立て処理されています。
釜山市にも焼却場が3か所あり、それぞれ管轄の区から集められた一般ごみが焼却→埋め立て処理されています。
その内1つの焼却場を見ると、「上半期はこの地域の区、下半期はこの地域の区」との記載がありました。全域をカバーするほどの処理能力がないようです。
では焼却されなかった分のごみはそのまま埋め立て場行きなんでしょうか…そこまで調べられなかったのですが多分そうでしょうね。
釜山市では、「焼却場」という名前のマイナスイメージを減らすため、また、単なる焼却場ではなくエネルギーを再利用しているんだよという意味も込め
「資源エネルギーセンター」、「環境資源公園」
という名前になっており、焼却の熱で蒸気を生産して冷暖房の熱源として使用したり、蒸気タービンにより発電したり、焼却場以外の施設も併設されている「環境資源公園」では生ごみの資源化、生活ごみ燃料化、リサイクル品の選別など、様々な取り組みが行われているそうです。
リサイクルはどうなっているの?
実は私が一番知りたかった部分はリサイクルがどのようにして行われているのかということだったのですが、ここを調べるのが至難の業…結局具体的な記載を見つけられず、よくわかりませんでした><
そのためここからは私の考えです。
おそらく、各種リサイクル業者が種類ごとに回収して、リサイクルされているんでしょう。
金属や瓶、紙類、ペットボトルなんかは比較的リサイクルしやすそうですが、一番気になるのはその他プラスチックです。
家庭から出るプラスチックは材質も形状も色もバラバラ…一つ一つ分別もできないでしょうし、燃料になっているんだろうと思います。
これは日本も同じことですね。
リサイクル製品はどこにあるの?
それにしても、普段生活するうえで主に接する製品たちの中で、「リサイクルした素材を使っています」と書かれているものをほとんど見かけません。
私は環境問題、特にごみ問題に関心があるのでそういう製品を探したり、意識して見たりしていて、最近少しずつ増えてきていると感じますが、そんな少数の製品ではまかないきれないほど毎日大量に出ているはずの資源ごみはいったいどこに?
一般消費者向けの商品にはあまり使われないのでしょうか・・・
それともビンや缶、段ボールなんかはリサイクルが当たり前でわざわざ書かないとか?
特に韓国に来て感じたのは、「再生紙ってどこにあるの??」ということです。
日本では学生時代、ノートやコピー用紙でやや黄色みがかった再生紙をよく見かけていましたが、韓国では大きい文具店で探しても再生紙を使った製品は見つからず、トイレットペーパーもパルプ100%!を売りにした製品がほとんどです。
最近は環境に配慮している企業の商品パッケージや梱包には「再生材を使用しています」という表記が多くみられるようになってきました。これは嬉しい変化です。
また、韓国では食料品や化粧品などの容器にリサイクルのしやすさを等級別に表記する制度が始まっており、これも消費者・企業両方に影響を与えるいい一歩だと思います。
これについても今後詳しく調べて記事にしてみたいと思います。
できればごみを出さないのが一番ですが、現代に生活している以上どうしても避けられない場面はたくさんありますね。
分別を正しく行って、リサイクルももっと積極的に行われるようになり、消費者もそれを選べるようになるといいなと思います。
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